2011年から2021年まで
一部の論文などは、ダウンロードできますので、ご自由にお読みください。
「課題の分離」を再考するー包括概念としての「課題の分担」の提案ー
「個人心理学研究」 第2巻 第1号 , p.33-43. 2021年5月. 掲載
関係性の理解にもとづく心理療法
「心理学的支援法」公認心理師の基礎と実践 第15巻(遠見書房) p.57-68. 2021年4月21日.
☞ 上記の論文は、公認心理師の養成のカリキュラムに即したシリーズ本の第15巻の1つの章を担当して書いたもの。タイトル通り「関係性」を重視した心理療法をいくつか取り上げて解説したものです。
「関係性」に初めて着目したのがアドラー心理学であることを最初に述べてから、ロジャース・サリバンなどの考えや、精神分析の中でも「関係性」を重視した自己心理学や間主観的アプローチ、催眠療法の「トランス空間」論の考え方、家族療法やブリーフセラピーの理論、そして動機付け面接などをシンプルに解説しました。
私にとっては実際に臨床では使っていないものや理論的にも詳しくないものもありましたが、この執筆のために関連本を読み直したりして、書きながらとても勉強になりましたね。
またあらためて、自分は「関係重視のセラピー」の基本姿勢が好きなんだなあ〜と強く思いましたね。
臨床心理学において「関係」を重視すること
「個人心理学研究」 第1巻 第1号 , p.9-16. 2020年4月. 掲載
☞ 上記の論文は、2018年3月3日に駒澤大学で行われた「臨床・教育アドラー心理学研究会 第9回大会」の「鼎談」でお話ししたことを論文化したもの。この時の会は「研究会」から「日本個人心理学会」へ移行する記念すべき大会でした。鼎談のテーマは「アドラー心理学の現代的意義と課題」で、他の鼎談者は、箕口雅博先生(立教大学)・鈴木義也先生(東洋学園大学)。 この論文では、現代の臨床心理学の流れを「心重視」と「関係重視」の2つに分類し、前者はフロイトからの、後者はアドラーからの影響が強いこと、そして後者の流れは現代においては「オープンダイアローグ」の実践に繋がっていることなどを論じました。この点に関しては、アドラー心理学の現代臨床心理学への大きな貢献だと個人的には思っています。
ジョイニングについてあらためて考える -密本さんの論文を読んで連想したこと-
神戸松陰こころのケア・センター臨床心理学研究 (14) p.66-69. 2019年7月
〈ブリーフ〉はどこから来たのか,そして,どこへ向かうのか−〈ブリーフ〉の臨床思想の試案
「ブリーフサイコセラピー研究」 第26巻 1号, p.7-20. 2017年12月
☞ 上記の論文は、現代の心理臨床活動(特にブリーフセラピーなど)において、技法や理論に偏って論じられていることに対して、アドラー心理学を参考にしながら「臨床思想」というものを心理療法家は持つべきである、ということを論じたものです。ブリーフセラピーにおける〈ブリーフの精神〉の始まりは、アルフレッド・アドラーの臨床実践からではないかという仮説を述べつつ、「ブリーフセラピーにおける臨床思想」というものについても、論文の中でいくつか思案し提示してみました。執筆当時は、丁寧に時間をかけて文献にあたりながら、自分なりに一生懸命に書いた論文でしたね。この「臨床思想」の考察は、私のライフ・ワークの1つになりました。考察を続けていきたいと思います。
アドラーは思春期をどう捉えて、その支援を行ったのか。そして今私たちはどう支援するのか
「思春期・青年期支援のためのアドラー心理学入門〜どうすれば若者に勇気を与えられるのか」(深沢孝之 編著)
アルテ. 2017 年11月1日. p.11-25(第1章).
トランス空間を作り,その中で主体的に振る舞う
ー私が心理臨床をしていく上で大切にしている8つのこと
「催眠トランス空間と心理療法」松木 繁. 編著 第12章(p.169-180). 遠見書房 2017年10月26日
☞ 上記の小論は、現在の私が行っている臨床活動において、大切にしている振る舞いや考え方などを、8つのポイントに絞って、解説したものです。 その執筆時点で、自分の心理臨床活動において意識的にやっていることを書いたこともあって、私にしては珍しく(?)スラスラと執筆できたことを思い出します。 今、読み返してみると、今現在も臨床活動をしていく上で大切にしていることがちゃんと書かれているな〜と思いますね。 私が大切にしている心理臨床観がシンプルに描かれている小論だと思います。
アドラー心理学を学ぶ〜アドラー心理学が今の日本に問いかけていること
東洋英和女学院大学心理相談室紀要 21巻,p.2-18. 2017年
子どもの「勇気」を高めるほめ方・叱り方とは
「児童心理」金子書房 2017年8月号 (特集:ほめ方上手・叱り方上手) 掲載
ニーズ・枠組みを把握しながら、なぞること
ー 松村論文を読みながら、システムズ・アプローチの基本姿勢を確認する ー
神戸松陰こころのケア・センター臨床心理学研究 (11) 78-80. 2016年5月
学校臨床現場のニーズを汲み取り、引き出し、応える心理臨床とは?
「現実に介入しつつこころに関わる 展開編」田嶌 誠一 編著.
第2部 ネットワーク活用型アプローチの展開 p.206-213. 金剛出版. 2016年2月
学校臨床活動における原点としてのアドラー心理学
子どもの心と学校臨床 第 14 号「特集 学校現場で活かすアドラー心理学」(監修と執筆) p.63-68. 遠見書房.
2016 年2月
☞ 上記の論文は、遠見書房という出版社が発行している「子どもの心と学校臨床」という雑誌(現在は廃刊)の特集で、アドラー心理学を取り上げた号です。私は編者を担当して、いろいろなアドラー心理学実践に取り組んでいる方に声をかけて、この特集を作りました。その特集号における私の「巻頭言」と小論文が上記の2つです。
元々アドラーは、教育に心理学を導入することに力を入れていたので、ウイーン時代には教師達にアドラー心理学を教授していた心理学者でした。現代ならば、当然スクールカウンセラーにも教授していたかもしれませんね。この本はまさにスクールカウンセラー向けの本なので、アドラーが現代に生きていたら、スクールカウンセラー達にどのように訴えるか想像しながら、執筆しました。
それまで私自身、構想を温めてきたアドラー心理学における「臨床思想」という発想を、初めて論文化したのですが、執筆当時は、頭で考えていたことを論文にする苦しみを強く味わったことを思い出しますね。
保護者とのより良い関係作りのためにできること
「アドラー心理学によるスクールカウンセリング入門〜どうすれば子どもに勇気を与えられるのか」(深沢孝之 編著)
アルテ. 2015 年12月15日. p.149-164(第5章).
健全な親子のかかわりとは?ー臨床心理学的「家族関係」論ー
中京大学臨床心理相談室紀要 (14) p. 1-11. 2014年9月
「円環的思考」について〜「問い」から「想像」へ, そして「仮説」へ.
駒澤大学心理臨床学研究 13 ,p. 31-3. 2014年4月
精神疲労のある相手に向き合う指導者の心得〜P・N循環理論の観点から〜
体力科学 63(1) ,p.129-129. 2014年2月
セラピストの振る舞いを意識するということ:宮慶論文の読後感から連想する
神戸松蔭こころのケアセンター臨床心理学研究 8,p.120-121. 2013年4月
土屋論文へのコメント:疑問と妄想でこの事例を見直してみる
神戸松蔭こころのケアセンター臨床心理学研究 7 , p.78-80. 2012年4月
高橋規子先生を偲んで
ブリーフサイコセラピー研究 第20巻 第2号,p.111-115. 2011年
臨床心理学における質的研究法についての一考察
~「セラピスト・インタビュー研究法」についての概要
駒澤大学心理臨床研究 (10) , p.3-7. 2011年8月